疑い告知に関する対応について(産科医院向け)

新生児が出生し、臨床的にダウン症等が疑われる場合の対応は、各産科医院によりさまざまであり、必ずしもご両親の心理的側面に十分配慮されたものでないことがあります。頻繁に遭遇することではないことが一因と思われます。そこで、そのような場合の疑い告知等に関して、ダウン症のお子さんをお持ちの親御さんたちのご意見も取り入れて、より良い告知のあり方を検討した結果、以下のような「ひな型」を作成しました。
このとおりに進めなければならないというものではありませんが、貴院での対応上参考になれば幸いです。

I. 告知する時期
・ 心臓病や哺乳不良など早期に医療を必要とする場合は、適切に2次医療機関へ紹介する。この時、紹介状には「疑い」の記載をするが、必ずしもご両親への説明は必要ではない。
・ 早期に医療を必要としない場合は、生後2~3日母子関係が強くなるまで説明はせず、他児と分け隔てなく扱う。退院までに疑いの告知をする。(説明文例参照)

II. 疑い告知とその内容
・ 生後2~3日以降退院までに、必ず個室で父親と母親が同席できる状況で行う。
・ 医師だけでなく、母親の心に寄り添う気持ちで助産師も同席する。

【告知内容】
1. まず、児の誕生を祝福する。“ご出産おめでとうございます” “かわいい赤ちゃんですね” など。

2. 誕生後の新生児としての経過を説明する。生れた時の状況や、生後の哺乳状態・黄疸などについて。

3. 臨床症状から「疑い」があるため、2次医療機関で検査・フォローしてもらったほうがよいことを説明する。この時、“ほぼ間違いない”などの確定的な言葉は好ましくない。染色体検査の結果が出るまでは、あくまでも“疑い”があるという説明をする。

4. 児の退院まで、助産師を含めて産科スタッフはこれまでと同じように接すること、質問があればいつでも尋ねていい旨を伝える。そして徹底する。告知後も両親からの申し出がない限り、特別扱いしない。助産師・事務職員も特別視せず、通常の赤ちゃんの誕生を祝福するのと同じ態度で接することが重要である。

III. 2次医療機関への紹介時期
・ 母親が動けるようになった時期。一般的に産科退院後。